闇の貴公子目次
公演情報
シノプシス
制作発表記者会見
原作者の言葉
テキスト

画像
メインキング
ポスター撮り
本読み・振付
リハーサル(大阪)
パブリシティ



 
 
2001年2月20日 産経新聞


OSK日本歌劇団
近鉄劇場で「闇の貴公子」
洋あおい、那月峻のツートップ公演
平安時代の百鬼夜行ミュージカルに



 OSK日本歌劇団は、23日から3月4日まで大阪・上本町の近鉄劇場でミュージカル「闇の貴公子」を公演する。夢枕獏著「陰陽師(おんみょうじ)」を下書きにした怪異物語。「平安時代、闇が闇として残っていた時代のロマン」を洋あおい、那月峻のツートップが1年ぶりに顔を合わせて繰り広げる。
 人間には見えないものを見通し、卓越した占いや幻術を駆使する超能力者が陰陽師。なかでもスーパー陰陽師といわれたのが、今から千年前に活躍した安倍晴明。朝廷に仕える官吏で、ソフトな物腰の人物だった。大阪・阿倍野にある安倍晴明神社には「葛之葉と名乗った母親が信太の森の白キツネで、その姿の影を息子に見られたため、森に帰って行った」と言う「葛之葉子別れ伝説」が伝えられている。長身で外国人のような感じといわれる超能力男を那月が演じる。
 一方、晴明の友人で、百鬼夜行の平安時代の闇の世界と戦う武人、源博雅。押し出しのよい熱演型の洋あおいがふんする。武勇に優れた男だが、やはり安倍晴明伝説に登場する乱暴者の鬼・酒呑童子(初瀬みき)の妹・茨姫(いばらぎ=沙月梨乃)と恋に陥り、苦しめられる。
 この怪しい恋は、晴明と敵対する陰陽師・蘆屋道満(あしやどうまん=大貴誠)が酒呑童子と組んだ謀略と晴明が見破り、戦いを繰り広げる。
 殺伐とした闇の世界に彩りを添えるのが、式神(しきがみ=妖精)で晴明の身の回りの世話をする藤の花の精・千爽貴世、牡丹の精・北原沙織、たんぽぽの精・美森あいかの三人。ファンタジーな空間を作り出す。戦いの手足になる式神として文殊菩薩の使者・吉津たかし、凩(こがらし)童子・波輝一夢が登場。また、葛之葉を若木志帆が演じるなど、30人が出演。この春、日本歌劇学校を卒業する十四人が初舞台を踏み、口上を述べる。
 「人も鬼も、物の怪も同じ都の暗がりの中に、時には同じ屋根の下に息をひそめて一緒に棲(す)んでいた時代」の怪異物語が、三層に積んだヤグラの上でスピーディーに展開する。脚本・演出を担当する北林佐和子さんは「人間には見えない世界の雰囲気をイリュージョンなどの特殊効果を使って表現。また、衣装も打ち掛けの下は動きやすい洋服にして、空間に浮かぶ感覚のアクションやダンスシーンもお見せしたい」と話している。
6200円、4100円。問い合わせTEL06・6788・3987
6月8日~10日、東京・日本青年館でも公演する。