(連日 お昼過ぎから夕方6時頃 「道頓堀極楽商店街」7F戎櫓広場にて)  
  第一回作品は『極楽夫婦善哉』   ストーリー  
  OSKミュージカル「闇の貴公子」や「魔剣士」などの“伝記物”からシェークスピアのロミオとジュリエットを古代の日本へリメイクした「たまきはる 命の雫」など幅広い作風と抜群の構成力で評判の北林 佐和子が作・演出を手がける。こけら落としにふさわしい、“笑いあり、涙あり、驚きあり”の人情味溢れたスペクタクル・ショーです。

  道頓堀極楽商店街の名物夫婦「蝶子と吉治朗」。今日も今日とて二人の夫婦喧嘩が始まった。原因はいつもの通り、吉治朗の女ぐせ。何かにつけ、店を蝶子に任せては、若い娘のケツを追い回している。戎櫓広場を舞台に繰り広げられる「夫婦喧嘩ショー」は、ジャズバンドやハーモニカ吹き、タップダンサーの娘たち、あげくの果てには、通行客まで巻き込んでの大騒動。
――二人の漫才のようなやりとりを軸に、道頓堀ジャズの演奏やイルミネーション輝く華やかなレビュー、ハーネスを使った空中ショーなど盛りだくさんの内容で展開されます。
 
登場人物
蝶子/しっかり者の仲居
吉次郎/蝶子の夫で放落者
美代子/レビューダンサー
六郎/たこ焼き屋
銀次/洋食屋のコック
春美/カフェの娘
百合/女学生
お辰/蝶子宅の家主
種やん/かき氷屋
 
 
  演出家のコメント  
   テーマはいっちょ噛み  
 
いっちょ噛みとは、深い知識をもたないのに、人や物事に積極的にかかわろうとする姿勢のことで、大阪人気質の代表例とも言えるでしょう。大活劇ミュージカル『極楽夫婦善哉』をはじめ館内いたるところに出没する10本の街角パフォーマンスは、その「いっちょ噛み」を歌と踊りで表現する、まったくもってイチビリな作品です。とはいえ新しい芸能は、この大阪弁でいうイチビリ精神から始まることも多いはず。私もこれまでそれなりに多くのショー、ミュージカルを創ってきましたが、極楽商店街という、劇場とはまったく異なる環境でのモノづくりは、私のなかのいっちょ噛み精神を大いに刺激して、ただいまは苦しみ楽しみつつ、個性的なスタッフ、出演者たちと稽古に励んでいます。
 驚きと感動にみちた街、道頓堀極楽商店街。『極楽夫婦善哉』の主人公、蝶子もこう言っています。「いっちょ噛みこそ最高の道楽。この街来たからには参加するこっちゃ!」
  『極楽夫婦善哉』
作・演出 北林佐和子